新しい週に、こんにちは。
日本の陽気は四季ではなく三季に変わっていくんですかね。今年は秋らしい日が圧倒的に少ないまま冬の陽気に突入しましたね。それでいて急にそこそこ暖かだったり。局長です。
─── さて、唐突だが、公開し損ねていた過去の写真を「今さら放出してみる」シリーズを。

嫁女房が小倅を身籠っていた2020年末 ── つまり、今から5年近く前のこと。
生まれ来る我が子のために「生後○日」といった節目用の撮影グッズを事前準備していた嫁女房。
しかも出産直後、すなわち入院中からの撮影も見越して病院に持参するほど用意周到な性格だけに、その準備はもっと前段階からの壮大なプロジェクトになっており、妊娠6ヶ月を過ぎたあたりにこんなことを言い出した。

マタニティフォト撮りましょうよ!
【いろいろ用意周到だった妊娠生活】

嫁女房(よめにょうぼう)
局長の女房。
喜怒哀楽の“怒”が抜け落ちている女。
「スタバ」が大好きな40歳OLでこのたび二児の母に。
☞ 詳しいプロフィール

「マタニティフォト」とは、妊娠中の特別な瞬間を記録する写真のことで、お腹の赤ちゃんとの絆や家族の温かさを表現する大切な記念として近年流行している。
民間のサービスも充実しており、衣装や豊富な背景、ヘアセットまでパッケージになったスタジオ撮影プランや、公園や自宅など好きな場所で自然体の写真が撮れる出張撮影などが存在する。

どんな小さな出来事でもイベント化する嫁女房だけに、俺の知らない水面下で行われていた独自調査によると、『スタジオアリス』でそんなプランが商品化されており、あとは日程を決めて予約するだけの段取りになっていた。
嫁女房曰く、ペアルックで撮影する夫婦が多いらしく、その衣装のチョイスだけは俺に託された。
ということで予約当日、2人でスタジオアリスまで出向き、ドキドキの撮影が始まった。

「スタジオ」を名乗るだけあって、さすがに家の中では実現できない世界観が演出されている。
しかし、賢明な読者のアナタ的には、きっと大きくなった嫁女房のお腹や、我が子の誕生を間近に控えた幸せそうな夫婦の雰囲気を差し置いて、どうしても強引に視界に飛び込んできてしまう“ある存在”に困惑していることだろう。

そう、2人の胸元から腹部にかけてやたら存在感を主張してくる黄色いそれ。
嫁女房の大きく突き出たお腹のインパクトさえも打ち消してしまうほどの異物感。
「ぴょん吉」である。

気付かないうちに脳に何かダメージでも負っていたのだろうか。
あるいは、父親になるプレッシャーからメンタルを病んでいたのか。
とにかく当時の俺は「ペアルック」と言われたとき、「ぴょん吉」以外に何も思い浮かばず、迷うことなく発注していたのだ。

不思議なのは、2人にとって『ど根性ガエル』は何一つ思い入れもなければ共通点もない作品であるということ。
“2人の出会いのきっかけ”とか、“この作品に勇気づけられた”といったエピソードの一つもあれば、この衣装のチョイスも「夫婦のストーリーには欠かせないピースの一つ」としてナチュラルに落とし込まれるのだろうが、そんな事情が1ミリもない実情。

スタジオアリスの撮影スタッフ陣も、笑っていいのか、ツッコんでいいのか、そもそも言葉に発していいものなのか、リアクションに困っていた。
結局、誰一人「ぴょん吉」に触れない、明らかに不自然な空気感の中でシャッター音だけが鳴り響きながら撮影が粛々と進んでいく。

こうして、お腹の中で“そのとき”を待つ小倅以上に、やたらと生命力を感じさせてしまう平面ガエルを胸に、予定していた全カットの撮影が滞りなく終了。
嫁女房にとって、イメージどおりの素敵な思い出になったのか否かは聞くのが怖いので分からないままだが、否が応でも海馬にはキッチリと刻み込まれたことだろう。
“ぴょん吉”Tシャツを小倅と小童の分も手配しなきゃいけないな。とくに思い入れもないけど






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