愛しの志熊 ~Vol.8 | 親父のペットロス【前編】

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新しい週に、こんにちは。
CS戦のことしか話題になっていないプロ野球ですが、パ・リーグは今シーズンのレギュラー戦がまだ残っていたとは。試合の消化スピードにずいぶん差がありますね。局長です。

─── さて、今年1月に急逝したポメラニアン志熊しぐまの“生涯”を振り返る件のクロージングを。

黒ポメラニアン志熊

親父はまだ深いペットロスの闇の中にいる。
もちろん当たり前の反応で、想定の範囲内なのだが・・・・

【前話のおさらい】

登場人物紹介
黒ポメラニアン志熊

志熊(しぐま)
局長家の黒ポメラニアン“真熊まぐま”の息子。
千葉県は外房の片田舎で、局長の親父と暮らしていた。
2024年1月11日に僅か11歳で原因不明の急逝。
☞ 詳しいプロフィール

志熊の骨壺が、オカンの仏壇の片隅に無造作に置かれたままなのだ。

志熊が急逝して以来、まずは5月のGWに親父の家に行き、その後は8月のお盆休みに行ったが、置き場はまったく変わっていなかった。

(2010年 7月29日 撮影)

かつてオカンが逝った後は、四十九日まではしっかり祭壇を飾り、納骨後は遺影を壁掛けする場所を自作して、さらには写真もダイニングと書斎の2箇所に飾ってある。
ダイニングは親父が一日のうちもっとも長くいる場所である。

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しかし、志熊に対しては完全に放置状態。

俺としては、この手の写真がすぐに飾られるものだと思っていたのだが、俺が2Lサイズにプリントしてフレームにも入れた状態であげたものが、お盆休みのときにようやくダイニングに置かれていたくらいで、その他の写真はどこにもなかった。

黒ポメラニアン志熊

志熊の火葬の際、親父との写真も一緒に炉に入れてあげたのだが、同じものをもう1枚ずつプリントして親父にも渡してあるのに、それらもどこにも見当たらなかった。

親父の寝室に置いてる、志熊が寝床にしていたクレートもそのまま。

俺と嫁女房が誕生日にプレゼントした『DeLoreansデロリアンズ』の散歩バッグも、志熊に着けていたハーネスやリードも、当時の置き場に残っている。

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何より、親父の口から志熊の話が一切出ない。

意識的に思い出さないようにしているのだろう。
毎日4~5kmも歩いていた散歩もやめ、家の中でのエアロバイク運動に切り替えている。
志熊との思い出が詰まった道を一人で歩くことができないのは言うまでもない。

志熊との思い出は、そのままの状態で残しておきたい気持ちもあるだろう。

黒ポメラニアン志熊

だがそれ以上に、それらに触れてしまうと志熊を思い出してしまい、悲しみに押し潰されてしまうために、下手に向き合うことができないのだと思う。

アライグマ千寿せんじゅが逝ったときの俺が、まさにそうだった。

アライグマ千寿

俺にとっても初めてのペットロスだったため、何日経っても傷が塞がらず、千寿が顔を出していた2階の窓を見上げたり、ドアをガリガリする音が幻聴で聞こえたり、ひたすら苦しんでいた。
それもあって、石像猫にいぼんやポメラニアン真熊まぐまが逝ったときには「記憶の蓋」が作動するよう脳が学習したのだと思う。

黒ポメラニアン志熊

一方、当時の俺と同じように今回が“初めてのペットロス”となる親父には、まだ「記憶の蓋」も存在しないため、真正面から向き合わなければならないのだ。

最終章につづく・・・・

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今日の一言

妻や子供(俺)よりも自分を愛してくれた存在が突然いなくなったら、そりゃ地獄の苦しみです

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コメント

  1. クッキー&ちゃちゃ より:

    お父様とても心配な様子です。
    散歩やめてしまったんですね。
    ずっと家の中に閉じこもった生活にはなってないですか。
    ご近所さんとの付き合いはあるのかな。
    局長さんと違い家には一人きりなので余計に心配です。
    しぐまくんと2人の生活が突然1人になったらそれは苦しいです。
    何かうちこめると言うか気が紛れる何かがあれば良いのですが。

  2. つばめ11号 より:

    読んでいるだけで苦しくなってきました。
    志熊君に関係したものには手をつけられないし
    思い出す場所からも遠ざかっているんですね。
    昼間は畑仕事とか買い物とかで気が紛れるかもしれませんが
    しーんとした夜は辛いでしょうね。
    局長さん達も、すぐ行ける距離じゃないから心配ですね。

  3. くうぱぱ より:

    私が今のポメを迎えるとき、こいつが生きている内は死ねないとの思いがありました。
    今でもその思いは変わっていません。
    少なくとも、お父上様は志熊君が旅立つまで、そして今も生きているんです。
    その事実だけで十分だと思います。

    最近のできごとなのですが、余命宣告を受けた近所のおばあちゃんが飼っていた猫ちゃんを保護施設にあずけたと知りました。
    そして、もう一度会いたいと涙ながらに言っていたと家内から聞いた私は、おばちゃんを連れて施設に会いにいきました。
    当然、そこにはおばあちゃんの猫ちゃんたちだけでなくたくさんの猫ちゃん、ワンちゃんがいました。
    この子達を見た瞬間、無力感に打ちひしがれたのと同時に、改めて、前述の思いを新たにしました。
    千寿君、にいな君、真熊君、志熊君、寿喜君、みんな最愛の人がいなくなる経験をせずに天国へ旅立てたことは、彼らにとって何よりの幸せなことなのかもしれません。

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