3月最後の土曜日に、こんにちは。
今シーズンのプロ野球が開幕しましたね。各チームとも選手の補強や放出があり昨シーズンとは少しずつ顔ぶれが違っているでしょうが、どんな戦いになるのでしょう。局長です。
─── さて、少し前の 3月8日(土)のお話。※本日は長編。

この日、俺は子供の頃に抱いていた夢を40年越しで実現していた。
嫁女房には小倅が生まれた当初から打ち明けてはいたのだが、ベストなタイミングをうかがい続け、ついにこの日に実行することにしたのだった。
それは、自分が子供の頃に使っていたおもちゃを自分の子供プレゼントして一緒に遊ぶこと。

「父から子への継承」として、小倅が生まれた直後に端午の節句の「鎧兜」を受け継いで以来の継承シリーズだが、今回は少しだけ趣旨が違う。

これまで長く心の中で抱いていた無念や後悔、憤りといったネガティブなものと、逆に将来の自分に託したポジティブな未来 ── という、絡み合っていた相対する複雑な思いがようやく解けていくような、壮大な自分史との決着物語なのである。
まるで大映ドラマのオープニングに流れるナレーションみたいな大袈裟な語りだが・・・・

父から子へ手渡したそれは、1977年から放送されていた特撮番組『恐竜大戦争アイゼンボーグ』に登場する戦闘物体「アイゼンボーグ号」。
俺が4歳のときのクリスマスプレゼントにサンタさんからもらったものだと思う。

この数日前の 3月4日(火)で4歳になった小倅だが、誕生日プレゼントでもらった自転車にはずっと乗れずにいた。
手にした誕生日当日も雪だったが、運悪くその後も雨が続いていたのだ。
部屋の中でまたがっては「早く乗りたい」と悲しげにする日が続いていた。

小倅(こせがれ)
局長の息子で、“人間”では長男。
2021年3月4日生まれの4歳。
『きかんしゃトーマス』にドハマり中の保育園児。
☞ 詳しいプロフィール
そんな鬱屈した思いも相まって、予想以上に喜んでくれた。

こうして、40年越しで叶った「子供の頃に抱いていた夢」だが、実は高校生の頃くらいから子供が苦手になっていき、大学生から社会人前半にかけては苦手を通り越してむしろ嫌いにまでなってしまい、いつしかそんな夢も忘れていた。

小倅が生まれたことがトリガーとなり、旧宅の天袋にしまい込んでいたおもちゃたちの存在も思い出し、40年近くぶりにその夢が再燃したというわけだ。
では、何ゆえ子供心にそんな夢を抱いていたのか ───
それは俺が「好きなもの」「好きなこと」を両親に共感してもらえなかったから。

我が家の親父は昭和18年という戦中生まれで、戦後の何もない、食べ物すら満足に手に入らない幼少期を過ごし、間違ってもおもちゃなど手にしたこともないし、テレビを初めて見たのも中学生に上がる頃の街頭テレビだというので、とにかく子供時代の俺が興味をもつ対象に1ミリも共感してくれなかった。

とにくアニメは小さな子供が見るものという固定概念が強く、小5の頃に週に一度の楽しみだった『Zガンダム』を見ているときに「いつまでこんなもの見てるんだ!」と思い切り怒られて、チャンネルを変えられたことは今でも忘れない。

さらに小学校の高学年になるにつれて、オカンにおもちゃを捨てられそうになることが増え、そのたびに ──

将来、自分の子供にあげるんだ
と言って必死に守ってきたのだが、それも限界があり数えるほどしか残せなかった。
『ミクロマン』のおもちゃを捨てられたときは本当に傷ついたもんだ。
そんな経緯から、将来自分に子供ができたら、絶対に一緒に遊んであげるんだと考えるように。

この思いの元で必死に守り抜いたおもちゃの一つが、この「アイゼンボーグ号」なのだ。
4歳の小倅が不器用な手で壊さずに遊べるものといえば、まずはこれだなと考えた。
現に俺も4歳の頃に手にしたおもちゃだし。
ときに、この『アイゼンボーグ』だが、かなり特殊な作品でもある。


説明のとおり、善と愛の兄妹が合体する「アイゼンボーグ」。
円谷プロだけあり、「ウルトラマン」同様に巨大化して街を破壊しながら戦う。
中東では爆発的な人気があり、大ファンだったサウジアラビアの皇太子が旗振り役となって40周年のドキュメンタリー番組が制作されたほど。

特筆すべきは、登場人物はアニメ、背景や戦闘シーンは実写という異質な世界観。
実在するランドマークで、アニメのキャラクターが動くという、当時としては非常に試験的な取り組みだったらしい。
だが恐竜は実写で、善と愛がアイゼンボーグマンに合体したあとはすべて実写での展開となる。

小倅に受け継いだ「アイゼンボーグ号」は、善と愛が合体したアイゼンボーグマンが操縦するのだが、アイゼンボーグマンは善の意識の元に動き、愛の思念はこのアイゼンボーグ号の制御回路となる ── という設定。

この1977年製の昭和のおもちゃである「アイゼンボーグ号」が、48年後の2025年に令和の子供に託されるなんて、なかなかの時空を超えたロマンじゃないか、我ながら。
ちなみに、当時の販売価格は ───

2,200円。
まだ消費税がなかった時代なので、2,200円が実売価格。
そして、値札に書かれている「忠実屋」という文字。
覚えている。近所に2店舗あった。

以上、俺の40年越しの夢が、小倅のサブ的な誕生日プレゼントという最適なタイミングも手伝って、最高の形で実現した ── という長尺の物語でした。
また来年以降にも、新たな昭和のおもちゃが登場するので、乞うご期待。
当然だが小童が4歳になったときに渡すおもちゃもすでに決めている。向こう3年は楽しみだ
コメント
すごいですね。
記憶力もそうだし、昔のおもちゃがまだあるのも凄いです。
『恐竜大戦争アイゼンボーグ』
全く記憶に無いです。
ウルトラマンとか仮面ライダーは覚えてるんだけどなぁ。
当時2,200円とはサンタさん奮発しましたね。
サンタさん値札…😆
他にもあって小童くんにも渡すとは素晴らしい👍
わたし、一個もないですよ昔のおもちゃ。
小倅ちゃん、良かったね!
忠実屋、懐かしい〜
忠実屋はダイエーに買収され、そのダイエーはイオンに買収され・・・・
企業の勢いや業績って変動が激しいんですよね。
ちょっとしたドラマのようなお話しでしたね。
子供の頃のおもちゃを守る理由を、40年越しに実現するなんてすごいです。
そして、そのおもちゃを喜んでくれてる我が息子。感動的ですね。
あの時の自分を褒めてやりたい気持ちになったでしょう。
ただ、この作品は私もまったく見た覚えがありません。
こんな変わったものなら記憶に残りそうなのに。
放送局が少なかったうちの方では放送されなかったのかなぁ。
同じ合体もののウルトラマンエースは大好きだったんですけどね。
今でも主題歌を歌えるくらいに。
北斗と南が合体するウルトラマンエースと同じ概念です。
いかんせん同じプロダクションが制作してますので(笑)
子倅ちゃんの笑顔、時を超えて局長さんの思いを受け取った証ですね。
アイゼンボーグが放送されていたこの時間帯、姉にチャンネルを独占され、一緒にカックラキン大放送を見ていた記憶が蘇ってきました。
小学校に上がるくらいのときはカックラキン大放送見てました。
ラビット関根も含めて。