欠陥住宅での41年間【後編】｜自宅の建て替えプロローグ Vol.4

土曜日の夕方に、こんにちは。
こんな時間になってしまったのにはワケが。またも動物病院の駐車場で車をぶつけられ、その事故対応に時間を要してしまったのだ。最近ツイていない局長です。

─── さて、思いのほか反響があって、むしろ驚いている例のレポート。

自宅の建て替えに至った経緯の「プロローグ」のつもりで綴ったつもりが、気付けば「欠陥住宅ルポ」あるいは「不幸自慢」みたいになりつつあるが、その最終章を。

【手続き(申請)上の欠陥】

【構造上の欠陥】

手続き（申請）上の欠陥、構造上の欠陥につづき、最後は住まう面での欠陥のお話。

1981年6月、まだ小学２年生だった俺ですら異常に思うほどの欠陥、さらには工務店の対応の悪さが随所に見られた。
主だったものは、以下のとおり。

その①　引き違い窓が勝手に開く

俺の部屋（その後はアライグマ千寿せんじゅの部屋となった）の引き違い窓が、カギをしないと勝手に開いてしまう。
そのカギも、窓を持ち上げるようにしなきゃ閉まらないというコツが必要だった。

サッシ自体が斜めに取り付けられているのだ。
すぐにクレームを出して一度は様子を見に来たが、「改めて修理に伺う」と言ったきり二度と来なかった。

その②　すべての建具がスムーズに開け閉めできない

既製品の建具（室内ドア）ではなく、大工による造作のドアだったのだが、湿度で膨張してドア枠に引っ掛かって干渉してしまい、満足に開け閉めができない。
これもクレームを言って一度は見に来たものの、結局それっきり。

リビングのドアは親父がカンナで削りながら調整していたが、その他のドアは最後まで開け閉めが難しかった。
どこの世界に、施主がカンナでドアを削りながら暮らす家があるっていうのだ････

その③　引き剥がされた壁紙がそのまま

ダイニングの壁に雨漏りらしきシミが生じたので連絡すると、壁紙を剥いで状況を確認。
シーラーなどで応急処置をして、「壁紙は貼り直しに来る」と言ったが、それっきり来なかった。

その④　風呂場のドア枠がすぐに腐食

ドア枠の木材が入居後、数ヶ月で腐食した。
これも文句を言って工務店が様子を見に来たが、それっきり。
最終的には親父が自分で直していた。

その⑤　構造柱をまさかの切断

上記④のドア枠を調査に来たとき、脱衣場の床下収納から基礎内部の床下を確認しようとしたが、うまくアクセスができなかったようで、あろうことか束石つかいしに乗る束柱つかばしらを切断した。

住宅を支える基礎に乗る、重要な柱をだ。
これも後日直しに来ると言ったものの、それっきり。

その⑥　雨漏り

竣工後10年くらい経ってからだろうか、２階が雨漏りを始めた。
何度となく親父が屋根に上ってはボンドシールで修繕したりと頑張っていたが、一向に収まらず。

屋根を張り替えるという選択肢もあったのだが、2000年以降は俺も「近々建て替える」というつもりだったので、そんな家に平均140～180万円も投じる気にはなれずそのままに。
最後は水浸しになるくらいの激しい状況だった。

─── 当然だが親父やオカンも、これらの問題には何度となく苦情の電話を入れていた。

しかし、決まって爺さんが出て「伝えておきます」と言うが、その後もなんの連絡もなし。
再度電話をすると「なんでしたっけ？」という始末。

ボケてしまっているのか、狙ってうやむやにしているのか不明なのだが、そういったクソみたいな工務店を、運悪く引き当ててしまっていたのだ。

親父もお金さえあれば訴訟を起こしていただろう。
そして俺も、アフターサービス対応の重要性を子供ながらに理解したほどだった。

こうして振り返るだけでも腹立たしさがこみ上げてくる。

「手続き」、「構造」だけでなく、実生活にも多くの問題を引き起こしていたこの欠陥住宅。

最後はもう、上述の雨漏りや、玄関やサニタリーの床は所々がペコペコとなっていつ抜けてもおかしくない状況になるわ、あらゆる建具の開け閉めができないわ、水道管が破裂するわ、もはや人が快適に住むことなどできないレベルだった。

むしろ建て直しをスタートするのが遅すぎたくらいだが、これはこれで別の理由があったりする。
それについては、また後日改めて綴ろうと思う。