土曜日の朝に、こんにちは。
今日も寿喜の点滴通院でした。週2回の通院はしんどいけど、腎臓の機能をギリギリのところで維持しているわけなので、点滴には感謝です。局長です。
─── 忘れた頃にやってくる、コアな読者さんには刺さっているらしい例のシリーズを。
そう、我が家の建て替え計画レポートである。
23歳の年に住宅業界に飛び込んでから、将来建てると決めた「理想の住まい」を夢見て日々情報収集にアンテナを張り巡らせていた俺。
まずは、ミサワホームの看板商品でもある収納方式「蔵」を導入すると決めたのだった。
この頃は、まだ1990年代後半の“小室ブーム”全盛期で、俺も20代半ばだった。
そして同じ時期、もう一つ「絶対に採用する」と決めた設備があった。
ノストラダムスの大予言で世界が終わるとされていた1999年。
この年は「システムキッチン」において大きな変化点となり、今となってはこれが「恐怖の大王」だったのかもしれないと思うほどだ。
システムキッチンの定義については、また後日改めて綴るが、どんな変化点となっていたのか。
キッチンには、「台輪」という“底上げ”が付いている。
「蹴込み」とも呼ばれる。
シンクやガス台にある収納や吊戸などの収納用の “箱≒棚” のことを「キャビネット」というが、床置きのキャビネットには必ず台輪が付いていた。
元来、日本の「台所」は、必ず家の北側に位置していた。
陽当たりのいい南側は居室に使うことを優先するために、台所やお風呂場、トイレといった水回りはジメジメとした北側に集約されてしまっていたのだ。
(南側だと食品が傷みやすいという点もあった)
さらに平成初期までは戸建住宅の基礎は「布基礎」が多かったため、土から上がってくる湿気を避けるようキャビネットを底上げする必要があった。
※布基礎は、建物の土台が乗る部分のみコンクリートの基礎があり、他の部分は土のまま。
しかし近年、キッチンが個室ではなくLDK(リビング・ダイニング・キッチン)として一体化され、家の中心に置かれるプランが増えてきたことで、必ずしも底上げする必要性も薄れてきていた。
つまり「台輪はいらないのではないか」ということだ。
そんなときにセンセーショナルなデビューを飾ったのが ───
クリナップが発売したシステムキッチン『クリンレディ』の新モデルに搭載された『フロアコンテナ』という機能。
なんと、それまでデッドスペースであった台輪の部分も収納とし、且つ「引き出し」とした革命的な仕様だったのだ。
当時は「蹴込み収納」と呼ばれ、一気に有名となった。
それだけでなく、他のキャビネットもすべて引き出し式にするというインパクト。
※実際には1998年に同社が発売した『S.S.』シリーズでオール引き出し化は実施していた。
今となっては当たり前のキッチン収納の引き出しだが、当時は「観音開き」だった。
「調理台」下の30~45cm幅のキャビネットだけは、一部引き出しがあったが、シンク下などの大きなキャビネットは耐荷重の問題的にも観音開きしかなかった。
だがこの観音開きは、空間の上部がデッドスペースになったり、奥にしまった物が取り出しづらいなど、とにかく使い勝手が悪いのだが、とはいえそれを引き出しにするといった発想はどのメーカーにもなかった。
何より、台輪の部分までが収納スペースとなる奇跡。
当時のクリナップは、あえて低い引き出しにして、350mlの缶ビールのストックや、土鍋などの“季節もの”といった毎日使うほどではない品々を保管する使用イメージを訴求しており、市場から高い評価を得た。
俺もこの発想には大きな衝撃を受けた。
同時に、将来建てる「理想の住まい」にはミサワホームの「蔵」と併せて、この「フロアコンテナ」も絶対に導入するのだと心に決めたのであった。
ちなみに、当然だがこの「蹴込み収納」や引き出し収納の発想は他のキッチンメーカーもすぐに模倣・追従し、2001年までには主要なメーカーの商品はすべて引き出し式に一変したのだった。
その過程では、クリナップの特許を侵害して訴訟に発展したりすることもあった・・・・
若い頃の思いがどれだけ反映されているのか建て替え計画にクリックを
コメント
1995年築の我が家は台輪がついた観音開きのキッチンです💦
台輪なんて言葉^_^知らなかったですが。
引き出しいいですよねー
収納はいくらあっても足りない位なんです。実際使ってるのは少ないのに😆
建売りじゃなく、家を建てる時はいろいろ選べて色も選べていいですが大変そう。でもそれも含めて楽しいですね!
それにしてもほんと詳しいですね〜
どんなキッチンにしたのかこれまた楽しみです!
ことちゃん今日も点滴頑張ったんですね、偉いぞことちゃん❣️
へー、今のシステムキッチンになるまでにはそんな歴史があったんですね。
台輪って言葉も初めて聞きました。
うちは、それよりずーーーーっと前に建てたので、キッチンというより
お勝手というのがぴったり。年末にモチ米を蒸す時にしか使わなかったけど
かまどもありました。
建て替えのために住んだアパートが観音開きの収納でしたが
お勝手の家から引っ越したので、それすら新しく感じてました。
そして、新居ではまさに引き出し収納のシステムキッチンなのですが
いずれこれすら古く感じる時が来るんでしょうね。
キッチンの歴史にも詳しい局長さんがどこのを採用したのか気になります。