日曜日の夕方に、こんにちは。
なんだか最近物騒な事件が続いていますね。日本は安全な国だったのに、いつの間にか治安がいい国とは言えなくなってしまった印象です。局長です。
─── さて、かねてからの予告どおりに「途中でストップしたままのお話」の続編シリーズを。

前回は、2020年10月にオレンジ色の愛車『日産セレナ』を買い替えたお話を再開して無事に完結できたところで、お次は職場の「永年勤続20周年」なる表彰の賞品としてもらった旅行券を使っての世界旅、『局長、世界を歩く』シリーズを。
【途中でストップしたままの記事】

2018年4月7日から、ヨーロッパはチェコのプラハと、オーストラリアのウィーンを巡る旅に出掛けた旅行レポートだったが、3日目となる 4月9日に名物「黒ビール」を飲みに行ったお話でストップしており、そのまま7年が経過してしまった。

「7年も前の話なんて覚えてねぇよ!」という人も多かろう ── というか、当の俺でも記憶が危ういくらいなので、念のため以下に当時のレポートを「おさらい」としてぶら下げておこう。
俺もこれらを見て記憶を遡りながら、続編を綴ることになるのだが・・・・
振り返り
- 2018.04.07
- 2018.04.08
- プラハ城
- 2018.04.09
※ 一部割愛しています。実際にはもっと記事があります。
チェコ到着から4日目となる2018年4月10日。

この日は、プラハからオーストリアはウィーンへの移動日だった。
せっかくだから鉄道で移動してみようと、事前に取得していた列車のチケットが朝8時台の出発だったので、7:45にはプラハ駅に。
だが、ここで俺は腹立たしい事態に見舞われることに。

「Railjet」というウィーンまでの直通列車に乗る予定なのだが、いかんせん初めての駅で、ましてや案内もチェコ語表記なので、乗る列車がどのホームから発車するのかが分からず、電光掲示板を見つめながら少し苦戦してしまっていた。

すると、チェコ人男性が「どうしたんだい?」的な様子で寄ってきて、「チケットを見せてくれ」と言ってきた。
言われたとおりに見せると、「それならこっちのホームだよ、付いて来て!」と俺のトランクを持って先導してくれた。

そういえば、この前日「チェスキークルムロフ」に行く際にバス停で迷っていたときも、チェコのビジネスマン風の男性が正しい乗り場に案内してくれた。
「チェコ人は親切なお国柄なんだろうな」と感謝しながら彼の後を付いて行くと、すぐに「Railjet」の乗車ホームに到着した。
しかし、ここでそれは起きた。

欧米では、こういったときはチップを支払うのが礼儀なので、残っていたチェコの通貨で“50チェココルナ”ほど渡すことにした。当時のレートで日本円にして300円くらい。
チェコの独自貨幣で、これから行くウィーンでは使わないことと、そもそもチェコはカード社会だったので、現金自体をあまり持っていなかった。

しかし、なぜか彼が拒む。
「なんだよ、チップは受け取らない主義なのか? なんて善意の塊なんだ」と思ったのも束の間、この男が本性を現した。

トランクをここまで運んだんだ。
トランク1つにつき150チェココルナだ!

そう言われても、もう現金はこれだけなんだ。
これで納めてくれよ。
150チェココルナと言えば、当時のレートで1,000円ほど。
駅のホームを案内し、且つトランクも持ってあげたということで、この金額を要求しているのだが、いくら「これしかない」と言っても頑なに譲らない。
途中で俺も気が付いた。

そうか、最初から俺のような外国人観光客を狙った詐欺だったのかと。
俺も必死に「現金がない」と説得するも、「キャッシングしてでも払え」的なことを言ったまま、話は10分経っても平行線に。
その間も俺のトランクはコイツが持ったまま。

俺も、こんな詐欺のためにキャッシングしてまで支払うつもりはないし、何よりここで支払ってしまったら「日本人は脅せば金が取れる」といったインプットをしかねない。
日本を代表して絶対に支払うわけにはいかず、最終的に俺の中では「コイツをやっちまうか」という選択肢が思い浮かんできた。

発車まで15分くらいある。
今やったら駅員だの警察だのが集まってきてしょっ引かれてしまいそうだから、発車5分前になったらボコボコにして、そのまま電車に乗り込もう。
さすがにウィーンまで警察が追ってきはしないだろう ── と。
すると、本当に偶然だが近くを駅員さんが歩いているのを発見した。

これはチャンスとばかりに呼んで、「コイツに不当な金銭を要求されている」と訴えた。
チェコ語が公用語のこの国で、俺の拙い英語がどこまで通じたのかは分からないが、駅員さんはきっと「外国人観光客向けのよくある詐欺」だとすぐに分かってくれたようだ。

俺にお金を要求し続けたチェコ人に対して何かを言い始めた。
「またお前らか」だったのか「警察にしょっ引くぞ」だったのか内容は分からないが、さっきまで高圧的に俺に迫ってきていたチェコ人の表情がどんどん焦っていくことだけは分かった。

なんとか「犯罪行為ではない」といった言い訳をしようとしたのだろう。
駅員さんに必死に弁明していたのだが、すぐに俺に対しても何かを訴え出した。
その表情はピンチ感が満載で、恐らくこんなことを言っていたのだろうと思う。

キミは何かを誤解してるよ。
そんな意味で言ったんじゃないんだ。
ゴメンよ、いい旅をね!
そして、「ほな、アディオ~ス!」とばかりに走り去っていった。

こうして、危うく詐欺被害というか恐喝被害に遭うところだったが、絶対に負けないという強い意志が功を奏したのか、大事には至らずに解決することができた。
それよりも、軽犯罪が多いとされているヨーロッパで、こんな典型的な犯罪に引っ掛かりそうになってしまったことが情けないが、それには理由というか布石があったのだ。
上述のとおり、この前日にチェスキークルムロフに向かう際のバス停での出来事 ───

「Andel」という駅のバス停で、乗り場が分からずにウロウロしていると、ビジネスマン風の男性がわざわざ追いかけてきてまで誘導してくれた。
この男性は単に紳士だったのだろうが、くれぐれもチェコ人全員がそうではないと考えるべきだったのに、うっかりこの体験が俺の判断を鈍らせてしまったのだ。

日本ではこんな詐欺まがいのことに巻き込まれることはないので、あとから腹立たしさが倍増してしまい、せっかくのプラハ旅行が最後の最後で後味の悪い思い出になってしまった。
やっぱり駅員さんに頼らずにやっちまえば良かったとさえ思いながら、電車に揺られることになったのだった。
7年前なら素材が足りなかったこのお話も現在では生成AIが画像を作ってくれるので助かる♪
コメント
へぇこんな事あったんですね。
私なら怖くて即支払いしちゃいそうです。
なのに局長さんは…
やっちまう 笑
さすがです。
初めての国でこの落ちつきはなかなかのメンタルです。
一人旅ってだけで凄いのにこんな事態にも解決しちゃう局長さん素晴らしいです👍
忘れていることが多々あり、過去記事を読んでおさらいしました。
面白かったです。
改めて、海外一人旅すごいって思ってしまいました。
私もこんなことがあったら1000円で済むならって払ってしまいそうです。
追い払うすべが思い浮かばなくて。
局長さんの意志の強さが素晴らしい!詐欺男ザマーミロって思いました。
やっちゃってほしかったなってのも少しだけ(笑)