骨になった志熊と親父の悲しみ|志熊の急逝 ~Vol.4

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火曜日の昼下がりに、こんにちは。
今日の関東地方は完全に春の陽気ですね。パーカーを着て外に出たら暑いくらいです。でも週末からはまた極寒とか。体を壊しそうな寒暖差ですね。局長です。

─── さて、少し空いてしまったが「ポメラニアン志熊しぐまの急逝」の件で続編を。

黒ポメラニアン志熊

志熊の急逝から2日後の 1月13日()。
俺は千葉の親父宅へ出向き、そこで志熊の亡骸を見て初めて、この2日間が夢ではなかったことを再認識させられた。

登場人物紹介
黒ポメラニアン真熊

志熊(しぐま)
局長家の黒ポメラニアン“真熊まぐま”の息子。
千葉県は外房の片田舎で、局長の親父と暮らしていた。
詳しいプロフィール

そして、定刻どおり13時から、出張火葬業者の手で志熊は荼毘に付された。

ほんの11ヶ月前にポメラニアン真熊まぐまを見送ったばかりの俺は、ただでさえ身を切り刻まれるような思いになる火葬炉へと入っていく姿を、まさかこの短期間で再び味わうことになるとは想定すらしていなかったので、言葉では表現できないほどに堪えた。

志熊の姿が炉に消え、火が入り ───

骨になるまでは小一時間を要すると言う。
その間、俺は親父が親戚付き合いしているお隣さん(親父宅の売主)と会話していたのだが、この前日、つまり志熊が急死した翌日の親父は放心状態だったそうだ。

お隣さんから見ても、“オカン”を突然死で失ったあと、志熊を得てからの親父は毎日が幸せそうだったとのこと。

黒ポメラニアン志熊

毎日の長距離散歩だけでなく、畑仕事の際も“涼み台”(田舎特有のテーブルとイスを兼ねた台)に乗せて、常に自分の傍らに置いていた。
それだけに「これから一人で大丈夫かしら」と心配が尽きないと言う。

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しかし親父は、火葬中も業者さんと普通に話し込んでおり、とくに落ち込んでいる様子や悲しそうな姿は一切見られなかった。

そうこうしている間に、小一時間で火葬が終了した。

骨上げをして、小さな骨壺に志熊が納まってしまった。
この世から肉体が完全に消えてしまい、もうあのモフモフした黒毛玉を二度と目にすることも触ることもできないのだ。

火葬業者さんと清算してお見送りをし、これで志熊をお空へ上げる作業が滞りなく終了したのだが、俺は初めてここで違和感を覚えた。
親父が、俺のために自家栽培したカブを持たせてくれると言い、慌ただしく収穫作業を始めた。

さらに、俺に言う。

親父
親父

帰り道で腹が減るかもしれないから餅でも焼こうか

俺が今すぐ帰ることが前提で作業や話を進めているのだ。

普通なら、遠路遙々やって来た俺をそのまま帰すようなことは絶対にしない。
陽がある時間帯なら片道3~4時間要してしまう距離なので、間違ってもとんぼ返りさせることはせずに絶対に「泊まっていけ」とか「少し寝て行け」とか「風呂に入って休んでから出ろ」といったケアをしてくるのだ。

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それがこの日は、「少しでも早く帰ってほしい」という気持ちがにじみ出てしまっている。
なるほど、一人になりなかったのか。
俺の前で号泣するような姿は見せたくないから、一刻も早くいなくなってほしかったのだ。

(志熊の“定位置”であるダイニングのイス)

親父は昔から、家族の前では異常なまでに弱い姿を見せまいとするきらいがあった。
このタイミングでもそれが顔を出してしまっているのだ。
俺も気持ちを察して、足早に親父宅を後にすることに。

帰路は、途中から大雪に見舞われた。

まるで天が泣いているかのようだったが、逆に「だったら最初からこんなことをするんじゃねぇ!」という怒りがこみ上げてくる。

3時間の道中では、志熊が産まれた当時のことや、この11年間の姿をひたすら思い返していた。

黒ポメ親子
(右写真:SAでちょっとトイレに降りただけでこの雪…)

志熊との時間を振り返れば、そこには必ず真熊がいる。
記憶に「」をされていたのに、久しぶりに真熊の姿を思い出すことができた。

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11年間大切に育てられてきた志熊の笑顔に二発目を。
今日の一言

志熊のことを思い出すと9割方は笑っている顔。残りの1割は外出する親父に怒って吠える顔

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コメント

  1. 匿名 より:

    まぐちゃんの血を引いてか、マグちゃんのお子様達はみんな可愛い笑顔ですよね

    天国に行ってしまったなんて…
    私達でさえ信じられないのに、御家族様の心中をお察し致します

    今頃は天国で仲良く遊んでいるのでしょうか

    私達の心の中では永遠に生きてます
    まぐちゃんも、志熊ちゃんも…

  2. クッキー&ちゃちゃ より:

    炉に入る時は本当に辛いです。
    1人にさせてしまうし、怖いだろうなと。
    もふもふのしぐまくん、こんなに小さくなってしまって…

    散歩もそうだし、畑仕事、家の中でも常に一緒。帰ってくれば吠えて出迎えてくれる存在が突然居なくなってしまったら心にぽっかりと穴が空いてしまいます。
    最近はどうでしょうか。

    息子の前では泣けない世代なんでしょうね。普通に話してると前にブログに書いてあった時にそうかなと思ってました。

  3. くうぱぱ より:

    胸が締め付けられる思いです。
    お父上、局長さんの心中を思うと、なんと言っていいのかわからないです。
    子倅ちゃん、小童ちゃんの笑顔が救いです。

  4. まっくろくろすけ より:

    お父様の心中を思うと辛いです どれだけ寂しい思いをして過ごしているのか心配です 
    畑仕事をする時、長い散歩いつも傍らには志熊くんが居たのに…
    小倅くん小童くん お父様を癒してあげてね

  5. つばめ11号 より:

    たまにしかブログに登場しないお父さまと志熊君を見ているだけでも
    どれだけ可愛く大切に思っていたかが、いつも伝わってきました。
    小さくなってしまった大事な志熊君を抱いて一人で供養したかったんですね。
    その気持ちを思うと本当に辛いです。

    • 森川せつ子 より:

      家は猫ちゃんを今まで六匹
      見送りました 初めての子は
      もう11年前ですが今でも悲しいです。その子は2ヶ月と短かったということも有るかもですが
      そ十日後にその子の父猫が急逝しました。最近では昨年六匹目
      の子が もうすぐ1周忌てす
      お父さんはキット見送るときには
      一人は寂しかったと思います
      だから来て欲しかったんですよ
      息子さんに。
      だけどお父さんは思い切り泣きたかったのでは?きっと息子さんのまえでは泣きたくなくて
      帰したんだと思いますよ。
      私もその気持ちはわかります
      火葬のときは心細いから夫にも
      仕事中時間を作ってもらい一緒でした 夫が仕事戻ってからは
      大号泣しましたからね

      お父さん ワンちゃん達が 側で見守ってくれてますからね🙏

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