木曜日の朝に、こんにちは。
いきなり春が終って夏が来た感じですね。1階にエアコンがないこの仮住まいでは命の危機を感じざるを得ませんでした。これからが不安です。局長です。
─── 気が重いが本日も、ポメラニアン真熊の“最後の戦い”を「記録」に残す作業の続編を。
尿毒症らしき症状が出てしまっているが、1週間ほど入院して24時間の点滴をすれば、年末くらいのコンディションまでは復調できる ───
そう疑わずに血液検査からの診断を受けた俺と真熊だったが、院長先生からの言葉は「余命1週間」という無情な宣告だった。
しばらく呆然としてしまったが、なんとか気を持ち直して、状況と情報を整理すべく院長先生にあれこれと確認する。
- これらの不調は“甲状腺機能低下症”によるものではなかったのか。
- 不調ではあるが、なんとか散歩もできているほど。本当に1週間しか生きられないのか。
- 点滴を毎日行えば、少しは改善しないか。 ・・・・等々。
院長先生によると ───
- 甲状腺機能低下症は確かに患っており、それは検査結果からも明らか。
- それ以上のスピードで慢性腎臓病が進行してしまい、腸の粘膜も炎症して、“ステージ4”とも言える「腎不全」に達してしまった。
- この状況からの回復は残念ながら不可能。
確かに、あと1ヶ月半で16歳となる真熊は、人間に換算すれば80歳。
いつ“お迎え”が来ても、なんら不思議ではない年齢なので、特段おかしなことを言われているわけでもない・・・・
これが真熊の天寿なのだと受け入れようと、改めて院長先生に尋ねた。
真熊は寿命を全うしたということですか?
老衰の一つということですか?
それとも、病気に殺されるんですか?
対する院長先生の回答に、俺は怒りの炎が着火してしまった。
残念ながら寿命ではなく、病魔に負けたということになります。
助けてあげられず申し訳ないです。
怒りの炎は、院長先生に向いたものではない。
15年半にわたり、ありったけの愛情を注いで手塩にかけて育てた最愛の息子が、病魔によって殺されるという事実 ── つまり、病魔への怒りだ。
「なんでテメェ如きに真熊を連れて行かれなきゃいけねぇんだ!」
沸々と湧き上がる怒りが収まらなくなり、再び院長先生に尋ねた。
「幹細胞再生医療」、もう一度できないですか?
もう一度やれば助かりますか?
院長先生も少し驚いた様子だったが、自信をもって答えた。
可能性はあります。
真熊ちゃんは一度効果が出ているので、やれば効くかもしれません。
2年前に「幹細胞再生医療」を施術してもらったときも、真熊は尿毒症に侵されていた。
転院前の病院で毎日通いの点滴を受けていたが、腎臓の数値は悪くなるばかりだったので今の病院に転院し、提案されたこの高度医療にトライしたのだった。
すぐに院長先生と段取りを始めた。
- まずは院内にある幹細胞の冷凍ストックを確認し、真熊に使えるものがあるのなら解凍や培養の準備を進める。
- 院内にストックがない場合は、近々で開腹手術をする犬がいないか、いれば脂肪幹細胞を採取させてもらえるかを確認。
- どちらも無理だった場合、外部機関から培養済みの幹細胞を購入して使用する。
─── という3段構えの計画に。
この時点で18時を回っていたので、翌16日(木)から確認を始めて、翌々日の17日(金)に俺に回答をもらえることとなった。
「余命1週間」ということは、真熊の“生死ライン”はおおよそ 2月21日(火)~22日(水)。
院長先生も「21日までには実施したい」と言ってくれたので、俺には土壇場での逆転プランが見え始めていた。
そう、当時のリアルタイム記事で「俺は1ミリも諦めていない」と言っていたのは、こうした計画が裏側でスタートしていたからなのだ。
幹細胞再生医療により、「余命1週間」を宣告されながらも“死の淵”ギリギリから不死鳥の如く蘇る真熊の姿が、明確にイメージできていたのである。
あまりに辛い現実を突然に突き付けられた真熊に失意のクリックを
コメント
よくぞその場で医師に提案する気力があったものだと
諦めたら負ける。家族だもの当然です
局長さんの心の強さと、まぐちゃんへの強い思いに涙がとまりません。
自分の血を分けた家族そのものです。
余命宣告を受けたのに、再生医療を思いついた局長さん凄いです。
わたしなら病気だから仕方ない、先生がそう言うならそうなんだと受け入れてしまいます。
先生もありとあらゆる入手ルートを模索してくれたんですね。
マグちゃんを病魔に渡してなるものかという局長さんの強い思いが
伝わってきました。
マグちゃんのためにいろいろやって記録も残してきた局長さんだからこそ
とっさの時に先生に提案できたんだと思います。
諦めない気持ちが先生にも伝わりましたね。